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歯科と関係ある話
【特別インタビュー】「広告にない真実」矯正歯科を専門に行う歯科医師が伝えたいこと

近年、一般歯科でも矯正治療を導入する医院が増えています。「虫歯や歯周病の治療に加えて矯正もできる」という総合的な体制は確かに便利ですが、一方で矯正は非常に専門性が高く、治療技術や知識の習得に長い年月を要する分野でもあります。
そんな中で、先生は矯正歯科を“追加のサービス”としてではなく、“専門としての道”を選ばれました。
そこには、一般歯科での臨床経験やご自身の矯正経験を通じて感じた、矯正の大きな可能性と必要性があったといいます。
ではまず、先生が矯正歯科を志したきっかけから伺ってみましょう。
矯正歯科を志した理由

――矯正を専門とする前は一般歯科で診療されていたそうですね?一般歯科で診療をされていた中で、矯正歯科を志すようになったきっかけは何だったのでしょうか?
実は私自身も矯正治療を経験しています。
治療中は痛みや違和感が強い時期もありましたが、歯並びが整っていくにつれて見た目の変化だけでなく、歯磨きのしにくさや咬み合わせの改善を実感しました。矯正は「美しさ」だけでなく「機能面や健康面」でも大きな価値があると自分の経験から学んだのです。
一般歯科医として診療していた時にも、その思いは常に心の中にありました。
例えば、奥歯を失って入れ歯にするしかない患者さんでも、もし矯正の技術で親知らずを動かすことができれば別の可能性を提示できたかもしれない。
また、歯並びがわずかに悪いだけで、詰め物や被せ物を綺麗に治療しづらいケースもあります。「矯正の力があれば、もっと良い治療ができるはず」そう痛感しました。
矯正治療は専門的な技術が必要です。自分の体験から得た確信と一般歯科での臨床経験が背中を押し、働きながら学ぶのは難しいと分かっていましたのできつい選択ではありましたが、大学院に入り直し、1から矯正を学び直す決心をしました。
――一般歯科の経験やご自身の体験が、矯正歯科を専門に志す大きな原点になったのですね。では、総合歯科として幅広く診療するのではなく、あえて矯正歯科を専門に特化されたのはなぜなのでしょうか?
総合歯科ではなく、矯正歯科を専門にした理由

――先生の場合は「一般歯科+矯正歯科」という総合歯科医院にすることも選択できたと思いますが、矯正歯科を専門にしたのはどうしてですか?
確かにその選択肢もありました。
ですが、矯正治療だけでも学ぶこと・提供することは非常に多くあります。
もし一般歯科も同時に行おうとすれば、どうしても矯正治療が疎かになってしまうのではないかと思いました。
矯正に特化することで、より深く、より高水準な治療を患者さんに提供できる。
その方が患者さんのためになると考え、専門の矯正歯科として開業することを選びました。
――矯正だけに専念することで、治療の質を高めていく。その姿勢が今の診療につながっているのですね。では、日々の矯正治療で特に大切にされていることは何なのでしょうか?
矯正治療で大事にしていること

—— 治療を行う上で大事にしているのはどんな点ですか?
矯正装置には患者さんごとに向き・不向きがあります。もちろん患者さんの希望もあるでしょうが、装置にこだわりがないという患者さんの方が助かると思う時もあります。こだわらないのであれば「最も効果的な方法」を提案したいと考えています。
治療期間中で、マウスピースで治療を始めたけれども途中でワイヤーを数ヶ月使った方が効果的な時もあります。または、治療の進み方によってはワイヤーからマウスピースに変えた方が良い場合があったり、そのように計画を時々で修正すると治療効果が加速すると感じます。
それも全て毎回の治療記録を取っているからこそで、治療記録を大事にしている理由です。治療記録は大きな財産です。治療の日は直前直後に必ず確認しています。
治療の経過や歯の動きに合わせて、より高い効果が出せる方法を考えられるよう心がけています。
――患者さんの毎回の変化を見逃さず、記録を積み重ねて適切な方法を提案されているのですね。では、そうした診療姿勢の中で、他院との違いを感じる点はどこにあるのでしょうか?
他院との違い

—— 他院と比べて、先生の矯正治療の特徴はどんなところにあるのでしょうか?
特に大きな違いは、歯科矯正用アンカースクリューの使い分けです。
アンカースクリューを1種類しか使わない医院もありますが、当院では目的に応じて複数種類を使い分けています。
• 口蓋に設置する場合:PLAS、i-station
その中でも
• 歯を固定する場合:PLAS
• 歯を後方・上方・側方に動かす場合:i-station
・表側に設置する場合:デュアルトップオートスクリュー、B-maxスクリュー
・歯科矯正用アンカースクリューにワイヤーを挿入する必要がある場合:デュアルトップオートスクリュー
さらに、骨の厚みや必要な力の量も考慮しながら、適切な方法を選んでいます。
矯正治療は「この方法しかない」と決めるのではなく、患者さん一人ひとりに最も効果的で負担の少ない方法を選ぶことが大切だと考えています。
――高度な技術を駆使しつつ、一人ひとりに合わせた最もよい治療法を導き出しているのですね。では、これまでの診療の中で印象に残っている患者さんのエピソードはありますか?
個性を大事に

——先生が印象に残っている患者さんの治療はありますか?
ガミースマイルをとても気にされている患者さんの治療で、歯科矯正用アンカースクリューを用いて上の前歯を上方へ動かすということを行うことがあります。
その患者さんはかなり歯茎がコンプレックスになっていて、治療効果が出て歯茎が見えなくなってからも、まだ普段はもっと笑うと歯茎が見えるから気になるということで、前歯を上方へ上げ続けたことがありました。
そうすると、歯茎は見えることはなくなり本人は満足していました。
しかし、反対に下の歯の見える範囲が多くなったのです。本人の個性が変わってしまったように思いました。
その患者さんの治療以来、本人の個性を変える所までは行うまいと心に決めました。本人の個性を大きく変える必要はないと思います。個性というのは良い所でもあるので、大きく変えようとせずに少しだけ良くなるように変えるという意識で、治療目標を作るのが良いのではないかと考えています。
――一人の患者さんとの出会いや経験が、先生の診療姿勢をより強めてきたのですね。では、最後に、これからの展望についてもお聞かせください。
今後の展望

—— 今後、どのような矯正歯科を目指していきたいですか?
患者さんが「このクリニックなら安心できる」と心から信頼し、自然と大切な人に紹介したくなるような矯正歯科を目指しています。
矯正は見た目を整えるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクを減らし、将来の歯の健康にも直結します。
一人でも多くの患者さんに、矯正治療の持つ本当の価値を届けられるよう、これからも努力していきたいと思います。
―2025年8月22日 院長インタビュー
※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
一般的な治療費:約30~140万円
治療期間:約24~30ヶ月
治療回数:約24~30回
治療の流れ:カウンセリング・検査を行った上で、適した矯正方法で治療を進めます。
デメリット・リスク:歯の動くスピードはお一人お一人で異なります。そのため治療期間が予定よりも長くなることがあります。
